最近、仕事に関係する、ある資格を取ろうとしています。
詳しい資格名や分野は伏せますが、取得するにはそれなりの専門知識が必要です。
試験を受けるだけではなく、事前の講習なども必要になります。
会社にとっても、自分にとっても、それなりに時間とお金がかかります。
この資格を取ろうと思った最初の理由は、とても単純でした。
「この仕事を担当するなら、資格を取ってきちんと勉強した方がいいだろう」
当時の僕は、その分野についてほとんど知識がありませんでした。
専門用語が分からない。
ルールも分からない。
何ができて、何ができないのかも分からない。
だから、
「まずは資格を取ろう」
と考えていました。
しかし、実際にその仕事をしばらく担当してみて、最近少し考えが変わってきました。
知識を得るだけなら、資格はいらない
当たり前の話ですが、知識を得るだけなら資格は必要ありません。
仕事で分からないことが出てきたら調べる。
資料を読む。
詳しい人に聞く。
本を読む。
実際の案件を経験する。
これを繰り返していけば、資格を持っていなくても知識は増えていきます。
むしろ僕の場合、仕事で必要に迫られて調べたことの方が、よく覚えています。
資格試験のために、
「ここは試験に出るから覚えよう」
と思って勉強したことより、
「明日、人に説明しないといけないから理解しよう」
と思って調べたことの方が、圧倒的に頭に残ります。
必要な場面が目の前にあるから、単なる暗記ではなく、
「この知識は、実際の仕事でこう使うのか」
と結びつけて理解できます。
仕事を担当し始めた頃は、
資格を取らなければ詳しくなれない
と思っていました。
しかし最近は、
資格がなくても、普通に勉強できる
と思うようになりました。
では、何のために資格を取るのか
そうなると、一つの疑問が出てきます。
資格を取るためには、時間がかかります。
講習を受ける。
勉強する。
試験を受ける。
資格によっては、決して安くない費用もかかります。
もし目的が、
「この分野について詳しくなること」
だけなら、その時間とお金で本を読んだり、実務経験を積んだりした方が、効率がよい場合もあります。
僕も最近、
「そもそも、この資格を何のために取るのだろう」
と考えるようになりました。
最初に理由を聞かれたときは、
「知識を身につけるため」
としか答えられなかったと思います。
でも今なら、少し違う答えになります。
資格は「一定の知識があります」という証明
仕事をしていると、
「自分はこの分野について勉強しています」
と説明する場面があります。
しかし、「勉強しています」という言葉はかなり曖昧です。
本を1冊読んだだけでも言えます。
何年も仕事をしている人も、同じ表現を使えます。
外から見れば、その人がどれくらい理解しているのかは分かりません。
資格があれば、少なくとも、
「一定の範囲を学び、決められた基準をクリアした」
ということは伝えられます。
もちろん、
資格を持っている=仕事ができる
ではありません。
資格を持っている人より、資格を持っていないベテランの方が、実務に詳しいこともあります。
資格試験に合格していても、実際の仕事では判断できないこともあると思います。
それでも、
「最低限、この範囲については学んでいます」
という証明にはなります。
最近は、それが資格の大きな意味なのではないかと思っています。
資格の価値は、自分の中で知識を増やすことだけではありません。
自分が何を学んだのかを、周囲に分かりやすく伝える役割もあるのだと思います。
同じ資格を学ぶと「共通言語」ができる
もう一つ感じているのが、共通言語ができることです。
同じ分野の仕事をしていても、担当によって知識には偏りがあります。
営業を担当している人。
技術を担当している人。
現場を担当している人。
それぞれ、詳しい部分が異なります。
資格の勉強では、一度その分野の全体像を体系的に学びます。
普段の仕事ではあまり使わない知識も含めて、一定の範囲を確認します。
すると、
「この用語は知っている前提で話してよい」
「この基本ルールは共有できている」
という土台ができます。
会社の中で複数人が同じ資格を持っていれば、相談や説明もしやすくなります。
誰か一人だけが詳しい状態より、最低限の知識を持った人が複数いる方が、組織として対応しやすい。
これは実際に仕事を担当するようになってから、初めて感じたメリットです。
強制的に勉強する期限ができる
そして、もう一つ。
これは、かなり現実的な理由です。
資格試験がなければ、
たぶん勉強しません。
少なくとも僕はそうです。
「そのうち読もう」
と思っている本が、家に何冊あるか分かりません。
「時間があるときに勉強しよう」
と思っている分野も、いくつもあります。
しかし、試験日が決まると状況が変わります。
講習の予定が入っている。
お金もかかっている。
試験日も決まっている。
できれば落ちたくない。
そうなると、少しずつでも勉強を始めます。
資格取得には、
勉強する期限を強制的に作る
という効果もあるのだと思います。
自主的に勉強を続けられる人には必要ないのかもしれません。
でも、すぐに後回しにしてしまう僕にとっては、かなり大きな意味があります。
「資格を取ること」が目的になると危ない
一方で、資格には注意したいところもあります。
資格を取ること自体が、目的になりやすいことです。
試験に合格する。
合格証が届く。
履歴書に書ける資格が増える。
そこで満足する。
僕も資格試験に合格すれば、もちろんうれしいです。
ただ、本来はそこからがスタートです。
仕事で使えなければ、せっかく勉強した意味が薄くなります。
人に説明できなければ、理解したつもりになっているだけかもしれません。
資格を取った後にまったく勉強しなくなれば、知識も少しずつ古くなります。
だから最近は、
資格取得=ゴール
ではなく、
「この分野について勉強しました」と名乗るためのスタートライン
くらいに考えた方がよいのではないかと思っています。
資格は、詳しくなるための手段の一つ
今でも、
「知識を得るために資格は必要ですか?」
と聞かれたら、僕は「必要ない」と答えると思います。
本を読む。
分からないことを調べる。
仕事を経験する。
詳しい人から教えてもらう。
資格がなくても、勉強する方法はいくらでもあります。
ただし、
一定の知識があることを証明する。
分野全体を体系的に学ぶ。
一緒に働く人との共通言語を持つ。
勉強する期限を作る。
こう考えると、資格を取る意味はちゃんとあります。
以前の僕は、
「資格を取るから詳しくなれる」
と思っていました。
最近は少し違います。
「詳しくなるための手段の一つとして、資格を使う」
くらいが、ちょうどよいのだと思います。
資格を取っただけで、専門家になれるとは思いません。
でも、せっかく時間とお金をかけて取得するなら、合格証をもらって終わりにはしたくありません。
仕事で使える知識にする。
人に説明できるようにする。
資格取得後も、必要なことを学び続ける。
そんなことを考えながら、今は資格取得に向けて勉強しています。
まあ、資格を取る意味についてここまで考える時間があるなら、一問でも問題を解いた方がよい気もしますが。


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